01-01場合の数で理解しておきたいこと

場合の数において特に理解しておきたいところでは、起こりうる事象を間違えなく数える方法として、
順列と組み合わせがあるので、使い方と意味をしっかり理解して身につける必要があります。

1.場合の数の法則
 起こりえる事象を数えるにあたって、事象をすべて列挙して数えると大変です。
 そのため、事象ごとにその性質を考え、和の法則か積の法則を使い、効率的に数えます。
 感覚的にわかるかもしれないですが、複雑な事象の場合の数を求めるとき、
 もれを防いで正確に場合の数を数えるには、意識的に事象を分割して考える必要があります。
 (1)和の法則
  事象$A$と事象$B$が同時に起こらない場合、それぞれの事象の場合の数の和が、全体の数となります。
  つまり、事象$A$が$a$通りあり、事象$B$が$b$通りあると、全体は$a+b$通りとなります。
  (例)「大小の計$2$個のサイコロを振ったとき、その出目の和が$6$の倍数になる場合は何通りあるか」
   という問題の場合を考えていきます。
    出目の和は、$2~12$まであるので、$6$の倍数は$6$と$12$があります。
    出目の和が「$6$になるとき」と、「$12$になるとき」は同時に起こらないので、
    出目の和が$6$になる$5$通りと出目の和が$12$になる$1$通りを足して
    $6$通りが解答となります。
   
 (2)積の法則
  事象$A$において$a$通りあり、そのおのおのについて、事象$B$が$b$通りあるとき
  全体は$a\times b$通りとなります。
  樹形図で考えると、次の枝の部分より先が、どの枝でも同じとなったときに使えます。
  
  (例)「$1、2、3、4、5$の$5$個の数字から異なる$2$個の数字を取ったとき、2桁の数字は何通りできるか」
   という問題の場合を考えていきます。
    十の位が$1$のときは、一の位は$1$以外の$4$つの数字のどれかになります。
    十の位が$2$のときは、一の位は$2$以外の$4$つの数字のどれかになります。
    十の位が$3$のときは、一の位は$3$以外の$4$つの数字のどれかになります。
    十の位が$4$のときは、一の位は$4$以外の$4$つの数字のどれかになります。
    十の位が$5$のときは、一の位は$5$以外の$4$つの数字のどれかになります。
   つまり、十の位を選ぶ事象$A$は$5$通りあり、一の位を選ぶ事象$B$は$4$通りとなります。
   事象$A$において$5$通りあり、そのおのおのについて、事象$B$が$4$通りあるので、
   $5$通り×$4$通り=$20$通りとなります。
   
  (例)「$1、2、3、4、5$の$5$個の数字から異なる$3$個の数字を取った、$\color{red}{3}$桁の数字は何通りできるか」
   という問題の場合を考えていきます。
    ①百の位が$1$のときは、十の位は百の位以外の$4$つの数字のどれか、
       一の位は百と十の位の数字以外の$3$つの数字のどれかになります。
    ②百の位が$2$のときは、十の位は百の位以外の$4$つの数字のどれか、
       一の位は百と十の位の数字以外の$3$つの数字のどれかになります。
    ③百の位が$3$のときも、十の位と一の位は、百の位が$1$のときと同じ選び方になります。
    ④もちろん、百の位が$4$のときも$5$のときも、百の位が$1$のときと同じ選び方になります。

   つまり、百の位を選ぶ事象$A$は$5$通りあり、百の位がどの数字でも十の位を選ぶ事象$B$は$4$通りあり、
   百や十の位がどの数字でも一の位を選ぶ事象$C$は$3$通りあるので
   $5\times4\times3=60$通りとなります。
      
 (3)和の法則と積の法則を使い分ける
  複雑な事象が問題となったとき、単純に場合の数を求めることができません。
  起こりえるすべてのことを列挙して数えて解答するのも、これまた大変です。
  そこで、積の法則をうまく使えるように、和になる部分を考えていきます。
  コツとしては、条件の厳しいところから、緩い部分に考えていくと、効率的になる場合が多いです。
  なぜなら、条件の厳しいところを場合分けして和の法則を使うと、残りの条件の緩い部分が
  自動的に決まり、積の法則で求めることができる可能性が高いからです。
  積の法則が使えれば、その事象を一網打尽に数えることができるからです。
   (もちろん例外もあります。)
   
  (例)$0、1、2、3、4、5$の$6$個の数字から、異なる$3$個の数字を取り$3$桁の数字を作るとき、
   偶数となるのは何通りできるか。
   という問題の場合を考えていきます。
   それぞれの位は以下の選び方になります。
    ①百の位は、$0$以外の数字であり、十と一の位の数字以外の数字である
    ②十の位は、百と一の位の数字以外の数字である
    ③一の位は、$0、2、4$の内のどれかであり、百と十の位の数字以外の数字である
   結論から言うと、③①②の順に考えていけば効率的に解けます。
   なぜ、「この順番で考えるのか」というと、③が条件が一番厳く、①が二番目に厳しいためです。
   では、順番に考えていきましょう。
    ③は、$0、2、4$の数字の$3$通りのどれかになります。
    ①は、一の位以外の数字であり$0$以外の数字でなければいけないので
     一の位が$0$の場合は$5$通り、一の位が$2$か$4$の場合は$4$通りになる
    ②は、一の位と百の位以外の数字であればよいので、$4$通りになる。
   つまり、
    一の位が$0$のときは、百の位が$5$通りあり、十の位はおのおの$4$通りある
    一の位が$2、4$のときは、百の位が$4$通りあり、十の位はおのおの$4$通りある
   すなわち
    $5\times4+2\times4\times4=20+32=52$通り
   
  (別の考え方)(単なる読み物と考えてください)
   上記では③①②と効率的に考えてみましたが、苦しくなる②①③の順で考えてみましょう。
   (ちなみにこの場合分け考えるだけで30分ぐらいかかってます。)
     ②は、どの数字でもよいので$6$通りになる。
     ①は、十の位以外の数字であり$0$以外の数字でなければいけないので
      十の位が$0$の場合は$5$通り、十の位が$1~5$の場合は$4$通りになる
     ③は、$0、2、4$のどれかで、百と十の位の数字以外の数字
    つまり
     十の位が$0$で百の位が$2か4$のとき($2$通り)、一の位は百の位でない$2か4$の$1$通り
     十の位が$0$で百の位が$1か3か5$のとき($3$通り)、一の位は$2か4$の$2$通り
     十の位が$2か4$で、百の位が$2か4$のとき($2$通り)、一の位は$0$の$1$通り
     十の位が$2か4$で、百の位が$1か3か5$のとき($6$通り)、一の位は$0$か十の位と異なる$2か4$の$2$通り
     十の位が$1か3か5$で、百の位が$2か4$のとき($6$通り)、一の位は百の位でない$0か2か4$の$2$通り
     十の位が$1か3か5$で、百の位が$1か3か5$のとき($6$通り)、一の位は$0か2か4$の$3$通り
    $2\times1+3\times2+2\times1+6\times2+6\times2+6\times3=2+6+2+12+12+18=52$通り

2.順列
 異なる$n$個を$r$個取り出し、順番に並べるたときの場合の数は以下になります。
  ${}_{n}P_{r}=n\times (n-1) \times (n-2) \times ・・・ \times (n-r+1)$
  ${}_{n}P_{r}$は、順列に使う記号で、$n$から降順に$r$個を積したものです。
 
 順列にも、いくつか使い方があるので覚えておきましょう。
  ①円形に順番に並べる
   円形に異なる$n$個を$r$個取り出し、順番に並べるたときは、回転させると同じものになるので
    ${}_{n-1}P_{r}$
  ②数珠のように並べる
   数珠やブレスレットのように、円形に並べて紐を通して並べる場合は、
   回転させたら同じものになり、また、裏返しても同じものになるので
    $\cfrac{{}_{n-1}P_{r}}{2}$

3.組み合わせ
 異なる$n$個から$r$個取り出す組み合わせの場合の数は以下になります。
  ${}_{n}C_{r}=\cfrac{n!}{r!(n-r)!}$
  ${}_{n}C_{r}$は、組み合わせに使う記号です。
 
 組み合わせは、いろいろな使い方をするので、例を覚えておきましょう。
  ①$n$人の生徒から$r$人を選ぶ場合の数
   言い換えると、異なる$n$個から$r$個を取り出すことなので、①と同じで
   ${}_{n}C_{r}=\cfrac{n!}{r!(n-r)!}$
  ②縦$a$、横$b$の碁盤の目の通路の順路の数
   横移動を→、縦移動を↓と表すことで「→→↓↓→↓→↓」、「→↓↓↓→→→↓」
   と表すことができるので
   $(a+b)$個の異なるものを$a$個取り出す組み合わせと同じになる。
   ${}_{a+b}C_{a}$
  ③$n$人の生徒を、$A$グループ$a$人、$B$グループ$b$人、$C$グループ$c$人に分ける
   $A$は$n$人から$a$人選び、$B$は残り$n-a$人から$b$人選ぶと、$C$は自動的に決まると考えて
   ${}_{n}C_{a}\times _{n-a}C_{b}$
    $=\cfrac{n!}{a!b!c!}$

4.いろいろな場合の数の考え方
 場合の数を考えるとき、考え方を工夫することで、順列$P$と組み合わせ$C$を使って求めやすくできます。
 以下によく使う考え方を載せておくので、一通り理解しておきましょう。
 
 ①隣り合っていることを指定される順列
  隣り合っているものを一つのものとして考えると、単純な順列として考えることができます。
 (例)$A、B、C、D、E$の$5$枚のカードを順番に並べるとき、$A、B$のカードが隣り合うように
  並べる方法は何通りあるか
  $\fbox{AB}、\fbox{C}、\fbox{D}、\fbox{E}$の4種のカードを任意に並べるとイメージしてみてください。
  そうすると、「$AB$」は常に一緒になるので、隣り合わせになります。
  その後、$\fbox{AB}$カードは「$AB$」と書いている場合と「$BA$」と書いてある2種類があったと考えれば
  隣り合うことを条件とした並べ方を簡単に求めることができます。
  この例の回答は、$4!×2=48$通り。
  
 ②隣り合わないことが指定される順列
  隣り合ってよいものを並べ、その間に隣り合ってはいけないものをはめていくと考えていきます。
 (例)男$3$人、女$4$人の$7$人を男が隣り合わないように7人が1列に並べる場合を考える
  隣り合ってもよい、女$4$人を
  ◇女◇女◇女◇女◇
  のように並べます。◇は空欄と思ってください。
  その後、◇の$5$か所の部分に男をはめていきます。
   1番目の男は$5$か所の◇のどこかに入り、
   2番目の男は残り$4$か所の◇のどこかに入り、
   3番目の男は残り$3$か所の◇のどこかに入ります。
   男が入らなかった◇は誰もいない空欄と考えます。
  この例の回答は、$4!×{}_{5}P_{3}=1440$通り。
   
 ③同じものがある順列
  まずは、別々のものと思って順列を考えます。
  その後、並びが違っても同じになってしまうものを割ります。
  (例)$1$カードが$2$枚、$2$のカードが$3$枚、$3$のカードが$1$枚を並べるとき、何通りの並べ方があるかを考える
  まずは、$1_{a}、1_{b}、2_{a}、2_{b}、2_{c}、3_{a}$と異なる$6$枚を並べると考えると
   $6!=6\cdot5\cdot4\cdot3\cdot2\cdot1$通り
  次に、同じになるものを考えます。
   $1$のカードは、$1_{a}、1_{b}$を入れ替えても同じになるので、$2$通り同じになります。
   $2$のカードは、$2_{a}、2_{b}、2_{c}$を入れ替えても同じになるので、$6$通り同じになります。
  つまり、この例の解は
   $\cfrac{6!}{2\cdot6}=60$通り
  
 ④重複と$0$個が許される取出
  $0$個を許し重複して選ぶときの場合の数は、区切りを入れた順列で表現できます。
  (例)$A、B、C、D$の$4$種類のものを任意に$9$個取り出すとき、何通りの取り出し方があるか。
   ただし、どれをいくつ使ってもよい。
  区切りの間の〇数を$A、B、C、D$に属すと考え、区切りの間に〇がないときは$0$個と考えると、
  〇が$9$個、|が$4$個ある順列と考えることができます。
   例)Aが$2$個、Bが$4$個、Cが$1$個、Dが$2$個
    〇〇|〇〇〇〇|〇|〇〇
    A  B    C D
   例)Aが$2$個、Bが$0$個、Cが$5$個、Dが$2$個
    〇〇| |〇〇〇〇〇|〇〇
    A  B C     D
  つまり、この例の解は
   $\cfrac{12!}{9!\cdot3!}=220$通り

 ⑤グループ分けで、グループに名前がない
  $7$人の生徒を、$A$グループ$2$人、$B$グループ$2$人、$C$グループ$3$人に分けるというような問題だと
  グループに$ABC$と名前の区別があるので
   $\cfrac{n!}{a!b!c!}$
    $=\cfrac{7!}{2!2!3!}$通りとなるのですが
  $7$人の生徒を、$2$人、$2$人、$3$人に分けるというように、グループ名がないときは注意が必要です。
  一見、$\cfrac{7!}{2!2!3!}$通りと思うが、間違いとなります。
  $A$グループ$2$人、$B$グループ$2$人、$C$グループ$3$人では、$A$グループと$B$グループに名前があり
  区別する必要がありますが、グループ名がなければ、
  $A$グループと$B$グループを入れ替えても同じ分け方になります。
  つまり、解答は
   $\cfrac{7!}{2!2!3!}\times \cfrac{1}{2}$通りとなります。

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